広報がリモートワークの本『リモートワーク大全』を書いた話
これまで、リモートワークについてどんな広報活動をしてきたの? → オウンドを中心に絶え間なく発信
私が所属する会社シックス・アパートは2016年の夏からずっと、社員のQOLを重視する毎日集まらない働き方をしています。この働き方&考え方に「SAWS(シックス・アパートらしいワーキングスタイル)」と名付けて、毎週の広報ブログや会社公式SNS、メディアへの取材や寄稿、イベント登壇、アワードへの応募などでの発信を続けてきました。※取り組みにオリジナルな名前を付けるのは大事よ! シックス・アパートは、「Movable Type」というブログツール公開からはじまった会社です。情報を公開して、広く共有し、オンラインでさまざまな意見と交わっていくことは会社のコアにあります。 だから、発信することはシックス・アパートのDNAに刻み込まれているのです......と勢いよく言い切りたいところですが、本音の気持ちで言えば「発信しなければ、シックス・アパートの広報じゃない!」と思ってがんばってやってきました。 社内のネタをたくさん集める。時によってはネタを自分で作る。それを伝わるストーリーにする(『ブームをつくる』本にあるYTTを重視)。さまざまな届けたい人に届ける。という基本的な地道な活動を続けてきました。 届ける手段はPESOメディアと言われる、情報の四つの伝達ルートで分類しつつ考えています。

本を書くことになったきっかけは? → ツイートです
自社での発信を続けていくと、それが需要があるものであれば、個人や会社や自治体やメディアからも質問が届き始めます。 新型コロナウイルスの話題が増えてきた今年の2月。早い会社は社員に在宅勤務を提案し始めた頃です。個人にも会社にも家で働くことに関しての質問がちらほらと届くようになりました。 世間的にも家で働くノウハウが求められていそうだし、何かできることないかなーと思って、まずはさくっと実験的に個人のTwitterで #リモワノウハウ語るよ というタグでノウハウを連続ツイートしてみることにしました。 最初に決めたのは、ツイートのハッシュタグとフォーマット。 「(絵文字)結論ずばっと なるべく個人の感想を交えたノウハウ概要 #リモワノウハウ語るよ」こんな構造で、リプライでツイートをツリーに並べる形式にしました。※今思えば、連番も付けておけば良かった。 で、思いついた当日にいきなり10個くらい一気に投下。これ以上多いとタイムラインが埋まっちゃうから、続きは翌日にまわして12個くらい投下。その後も1日1個くらいでのペースで投稿を続けました。 そうすると、連続ツイートした当日から問合せが来始めて、数か月の内にCNET Japan、朝日新聞GLOBE+、NIKKEI STYLE、日経クロステック、西日本新聞、日テレNEWS24など、さまざまなメディアに取り上げていただくことになりました。日経DUALでは「共働き親のリモートワークを快適化せよ!」という連載も持たせていただいています。 それだけ元のツイートがバズったのかといわれると、合計でも400RTに満たないくらいでバズと言うには忍びない数です。 だからツイートは単なるきっかけで、背景にこれまでずっとリモートワークに関して会社として情報発信をして、アワードなどでの評価をいただいてきた発信の積み重ねが最も大きいと思っています。 この流れの中で、ポプラ社さんよりお声をかけていただいたのでした。いただいた素案を膨らませて企画書にまとめ、編集会議を通して出版の承認が下りて、晴れて執筆することになりました。それが、だいたいゴールデンウィーク直前くらいの時期の話です。早めに仕事開始しよう
— 壽 かおり『リモートワーク大全』11/18発売 (@kaoritter) February 17, 2020
出社しなくていいなら、朝の身支度は最小限ですむし移動の時間もいらないね。
だったらいつもの始業時間より早く仕事を始められるはず。頭が冴えててやる気ゲージが比較的多い午前中に重めの仕事に手を付けよう。#リモワノウハウ語るよ
本って、どうやって書くの? → ひたすら地道に書いていくしかない
ざっくり言うと、最初に章の構成となる目次を立てて、その項目ごとに一個ずつ書く、です。最初にGWにサンプル記事を数個書いてみて、文体などのチェックをいただき、GW明けから本格的な執筆を開始しました。 書き進めていくには細かい〆切がとにかく重要でした。毎週12,000文字を書くと決めて、毎週月曜の17時にSlackでその時点までの進捗を報告すると言うルールにしました。本業も複業も普通にある合間に書くので、毎日遅くまで&土日も相当潰しました。 で、これがその進捗シートです。全体の進捗の部分(目標文字数に対して何%書いたか)が特に大事で、遅々としていても進んでいるんだという励ましになりました。