Notionを使って確定申告をラクにするためのマニュアルをつくってみた【無料で複製OK】

😱「やばい、今年も確定申告の季節が来てしまった。まず何からやるのか思い出すところから始めなければ……」

と、2月に気が重くなっていませんか?私はなってます。毎年。

どうせ毎年やらねばならぬこと。ならば、楽にするための仕組みを作るしかない!と一念発起して、確定申告の仕組みを整え、自分用のマニュアルを「Notion」にまとめました!このマニュアルさえあれば来年は「確定申告、どんとこい!」という気持ちで取り組めるはず。

頑張ってマニュアルを作ったので、確定申告に悩める皆さまの参考に少しでもなればと思い、複製して使える確定申告マニュアルのNotionテンプレートも用意してみました。これをひな形にして自分専用の確定申告のノウハウをまとめていけば、頼れるマニュアルにもなり、タスク漏れを無くすToDoリストにもなります。Notionユーザーの方はもちろんですが、内容はNotionを使ったことがないという方にも参考にしていただける部分があると思います。お役に立てたら幸いです!

ちなみにこの記事は、アドビさんのPR企画「僕と私の確定申告」に参加して書いています。

私が確定申告のマニュアルを作った理由

最初に自己紹介をさせてください。壽かおりと申します。副業をしている会社員です。なのでここ数年、毎年確定申告をしています。医療費控除がかかる年もあるし、ふるさと納税の申告が必要な年もあります。

そんな私にとって、確定申告は面倒だけども毎年必ずやらねばならないイベントです。なので、確定申告が少しでもラクになるよう、さまざまな工夫をしています。たとえば、確定申告の事前準備として、クラウド型確定申告ソフトに全ての銀行・証券・カード系の取引を登録してあり、確定申告の際に必要な出入金についてはごく一部の現金支払いを除いて、自動記録しています。

自動記録していたら、あとはツールが良い感じに申告書を作ってくれるならばよいのですが、実際は慣れない用語だらけで判断に迷うことも多く全然簡単ではありません。私は税務の専門家ではないので、餅は餅屋に任せるべく、数年前から確定申告作業の一部を税理士さんにお手伝いいただいています。税理士さんには、年始の確定申告時の仕訳内容の精査・計算・申告作業をお願いしています。加えて、お金まわりのよもやま相談にも乗ってもらっています。本当に助かってます。

そのような環境であっても、やはり確定申告は手強いもの。そもそも、自分のお金のことは自分にしかわかりません。どんな収入を得て、どんな支出をして、どんな控除ができうるかを知っているのは自分だけです。あらゆる会社から届く書類を保管して整理するのも自分。税理士さんに全て丸投げはできません。

さらに言えば、毎年収入・経費・控除の内容も変わるし、制度も変わっていきます。それらの情報を散逸させたら、2月に地獄を見ることに!なので、私は作ることにしたわけです。「ここさえ見れば大丈夫!」な、自分専用の確定申告のマニュアルを。

Notionは確定申告マニュアルづくりの最高の相棒

確定申告マニュアルを作るぞ!と決めて向かうのは、Notionの画面です。Notionは、私が普段からありとあらゆるタスクやメモや日記を書き込んで取りまとめるのに愛用している情報管理ツールです。夫にも「私が死んだら、このNotionを見るように」と言っているくらい、手放せません。

Notionをご存じない方のために簡単に説明すると、Notionはいわば、とっても万能なクラウド型メモ帳です。Wordのように画像を配置したドキュメントも作れるし、Excelに似た簡易スプレッドシートも作れます。オンライン上のコンテンツ、例えばツイートやウェブサイトのブックマークを埋め込むことも可能です。クラウド型のサービスなので、パソコンはもちろん、スマホからも閲覧・編集できます。最近、Notion AIなんてのも追加されて、AIに相談しながら文章を書いたり、タスクを取りまとめたりできる最高の相棒に進化しました。……と、Notionについて語りたい気持ちはいっぱいですが、この記事はNotion解説記事ではないため、ここらで止めておきます。

今回の記事は、Notionを使った確定申告テンプレートとその中身についてなので、最初にマニュアルの全体像をお見せします。長いので前半・後半を横に並べてお見せします。

確定申告マニュアル 全体像
確定申告マニュアルの全体像

Notionならば、このように見出しあり、チェックリストあり、画像あり、データベースあり、リンクあり、と内容に合わせて使いやすいフォーマットに拡張していけるのがとても気に入っています。

では、このマニュアルについて詳しく解説していきます。
(ちなみに、このマニュアルは皆さんのNotionの環境にも複製していただけます。複製のためのリンクは後ほどご紹介しますね)

私による私のための確定申告マニュアルの中身

このマニュアルは、私の確定申告作業の仕組みやノウハウをまとめたものです。日々書き足しながら使っています。なお、この記事でご紹介するマニュアルの中身は、あくまでも多くの人に共通する確定申告作業の大まかな流れのみにしています。細かく書けない理由は、確定申告すべき内容は人によって異なるから。なので、自分専用のマニュアルのたたき台として参考にしていただければと思います。

1.🧑‍🔧確定申告、事前に準備すべきこと

マニュアルの最初は、確定申告を円滑に進めるにあたって準備しておくとよいことを記載しています。最初に対応したらあとは必要ないのですが、初めて確定申告する人向けに、あえてこの項目を設けてみました。

確定申告、事前に準備すべきこと

クラウド確定申告ソフトのアカウントを取得

クラウド確定申告ソフトとは、インターネット上で利用できる確定申告書作成のためのソフトウェアです。銀行やカードなどの口座と連携することで、収入や支出などのデータを自動的に取り込み、確定申告に必要な各種書類作成を助けてくれます。私は「MoneyForward クラウド確定申告」を使っています。

(必要に応じて)税理士さんと契約する

確定申告はひとりでもできることではありますが、もしも申告内容が多く複雑で税理士さんの手助けが欲しいと思うならば、早めに税理士さんを探して契約することをオススメします。確定申告に関する専門的なアドバイスやサポートを受けることができますし、e-Tax(電子申告)への代理送信もお願いできます。私はずっと頼りまくっています。

この他にも、自分で申告書を申請する人ならばマイナンバーカードを取得する、e-Taxの設定をする、などのタスクも考えられるでしょう。このマニュアルは、自分の確定申告にとって必要なことを書き込みながら、ご活用ください。

2.🧑‍💻確定申告に向けて1年を通して対応すること

続いて、「随時やること」には1年を通じて対応すべき内容を書いています。(「年始にやること」の項目については、一旦飛ばしてあとで紹介します)

確定申告に向けて1年を通して対応すること

ここに書くのはたとえば、以下のような内容です。

  • 年始に作った「何でも入れる封筒」に受け取った紙類を全部投げ込む。(封筒については後述します)
  • 年始に作った「整理用フォルダ」に各種ファイルを格納する。(整理用フォルダについても後述します)
  • 会計ツールに定期的にログインして、想定外の入出金が無いかを確認する
  • 現金での入出金記録を付ける

また、医療費控除関連(病院への交通費など保険証に紐付いていないけれども控除可能な出費は、書き残しておく必要があります)やふるさと納税の履歴などを、Notionのデータベース機能を使ってメモするようにしています。データベースのカラムとして日付や金額や内容など、記録すべき項目を設定しておけば、漏らさず書けるので便利です。総額の集計なども簡単です。

3.💵確定申告の本番時にやること

2月のメインイベント、確定申告の書類作成&申請時にやるべきことをまとめている項目です。多くの人にとって、ここが一番ボリューミーになると思います。

💻確定申告ツールで対応すべきことをチェックリスト化

確定申告ツールで対応すべきことをチェックリスト化

確定申告ツール内で対応すべきことをチェックリストとしてまとめておく項目です。たとえば、開始残高を登録したり、1年間の入出金の仕訳したりといった作業があるでしょう。他にもツール上で行うべき項目はあれこれあるはずです。作業中に参照したツールの公式サイトの情報や、関連ページへのリンクなどをガンガン書き込んでおくと、便利です。

例として、テンプレート内にマネーフォワード公式の「仕訳ガイド」ページへのリンクを記載しています。このリンク先は、ご自身の使っているツールに合わせて変更ください。

📚紙で集めた書類の整理&📂デジタル化された書類の整理

紙で集めた書類の整理&デジタル化された書類の整理

申告作業のために必要な書類は人それぞれ異なるので、揃えるべき書類のリスト作成は必須です。チェックリストさえあれば何が揃っていて、何が揃っていないかが一目瞭然です。

加えて、いつどんな方法で入手できる書類なのかも書いておくのをオススメします。例えば、「11月頃に郵送で届く」とか「年明けに健康保険のサイトからダウンロードする」など。そうすると、まだ集まっていない書類があったときも、届く予定時期まで待てばいいのか、遅いので問い合わせるべきなのかなど判断できます。

🧑‍💼税理士さんに依頼し、書類を仕上げて提出してもらう

税理士さんに依頼し、書類を仕上げて提出してもらう

確定申告ツールに全ての情報を入力し、全ての書類を集めたら、次は税理士さんへの依頼です。いつまでに何を提出すべきかのリスト、税理士さんからの意見やアドバイス、提出前の申告書類の最終確認ポイントなど、マニュアルに書き込んでおいた方が良い内容はさまざまあります。税理士さんに相談しながら書き足すと良いでしょう。

📝確定申告作業の振り返り

提出が終わったら、最後の仕上げの作業です。申告内容を振り返り今年の仕事について考えたり、次年度の確定申告マニュアルへ申し送りを書き足したりしましょう。

全ての申告作業と振り返りが終わったら、「1年間お疲れ様でした!」ということで何かしらご褒美があると良いですね。ということで、ついでに「ご褒美」もチェックリストに入れてみました。ご褒美の内容はケーキでもサウナでも慰安旅行でも、自分にとって「これがあるから頑張ろう!」と思える内容を追加してみてください。

4.🎍紙&デジタル書類の整理ノウハウ(毎年年始にやること)

最後に、毎年年始にやっている紙やデータで受け取る&発行するありとあらゆる経理書類整理のノウハウについてご紹介します。

必要書類を何でも投げ込む封筒を作る

こまめに紙を整理分類するのが苦手な私のようなズボラな方にオススメなのは、領収書などの書類をポンポン投げ込める大きな封筒をひとつ用意すること。ここに大事そうな書類はなんでも投げ込みます。

必要書類を何でも投げ込む封筒を作る

私は角二サイズ(A4サイズを折らずに封入できるサイズ)の封筒を使っています。表に「202X年 確定申告」とでっかく書き、確定申告に関係しそうな紙の書類はどんどん投げ込んでいくのです。他の封筒と間違わないように、カラーマーカーやマスキングテープなどを活用してデコるのも良いでしょう。これを私は、毎日仕事する机の近くに、いつでも投げ込める状態にしてフタを開けたまま立てておいてあります。この封筒に一年かけて、確定申告に必要そうだと思われるものはなんでも入れ続けるのです。
そうすることで、書類管理の思考コストが激減します。

入れるべき紙類は人それぞれですが、例えば以下のようなものがあります。

  • 領収書
  • 医療費関連
  • 支払調書
  • 保険料控除証明書
  • ふるさと納税の受領証

とにかく経理関係の大事そうな書類は全部この投げ込み封筒に入れています。「これって、入れるべき?」と迷うものがあるならば、とにかく入れておけば良いのです。確定申告に必要な書類はこの封筒をひっくり返せば必ずある!という状態にしておくことが大事です。

たくさん入れる予定で封筒を補強したいなら、クリアフォルダを左右から着せると、さらに頑丈な封筒になります。

クリアフォルダで封筒を補強

上の写真は、2023年用投げ込み封筒の実物です。両側からクリアフォルダで挟んでいるのがわかりますでしょうか?フタ裏の「2023 領収書」文字は1分で書いたので雑ですが(そういう性格です)、みなさま各自で素敵な感じにしてください。

続いて、デジタルの書類を整理する方法についてもお教えします。

デジタルの書類はわかりやすいファイル名を付けて、フォルダで管理

デジタルの書類はわかりやすいファイル名を付けて、フォルダで管理

確定申告に使う書類の中には、デジタルで発行されるものも多数あります。それらのデジタル書類を管理する際は、わかりやすいファイル名をつけるのも大事です。なぜならば、このフォルダをまとめて年末に税理士さんに送ることになるから。ファイル名からも誰の書類か一目瞭然になるよう、自分の名前をファイル名に入れるルールにしています。

私のファイル名のルールは「yyyy_名前_会社名_書類種別.pdf」または「yyyymm_名前_会社名_書類種別.pdf」です。yyyyは西暦4桁、mmは月2桁です。

mm(月)を付けるかどうかは、その書類が年に何度も発行されるものか、年に一度しか発行されないものかで分けています。

たとえば頻繁に発行される請求書などは、mmを付けて「202301_壽かおり_A社_請求書.pdf」とします。支払調書は1社ごとに年1枚なので、mmを省き「2023_壽かおり_A社_支払い調書.pdf」でOKです。

紙で集めた領収書などもスキャンして同様のファイル名をつけて保存しています。

ルールはあくまでも私のやり方なので、ご参考までに。ファイル名を決めたら、あとはそれらファイルを格納するフォルダを用意に分類・保存します。

確定申告マニュアルの、Notionテンプレートを配布します

以上、ながーーい記事を読んでくださってありがとうございました!!確定申告マニュアルのNotionテンプレートはこちらです。Notionユーザーの方は、ぜひご自身のNotionワークスペースに複製してご利用ください。

複製ボタンは、テンプレートページの右上にあります。

複製ボタンは左上

⚠︎ このマニュアルテンプレートはあくまでも「ひな形」です。このマニュアルがあれば確定申告はバッチリ!というわけではありません。申告すべき内容は人それぞれ。なので、自分の確定申告のために必要な項目を書き足す「ひな形」として、ご活用ください。

税理士さんに手伝ってもらえる幸せ

最後にちょっと余談ですが、税理士さんに手伝ってもらう幸せについても触れておきます。

確定申告をしていると次から次へと不明点が出てきます。「外貨収入も日本円で計算すべき?いつのレートで?」「これは何の名目で仕訳すべき?」「この制度は私にも適用される?」「今年の制度改正は私に関係ある?」などなど、専門家に相談したいことは山ほどあります。お金のことはきっちり対応すべく、税理士さんを探すことにしました。

税理士さんを探すなら、確定申告ツールの会社が提供している税理士検索のサービスがオススメです。なぜなら、その検索サービスを使えば、そのツールに慣れている税理士さんが見つかるからです。税理士さんにもツールにログインしてもらいお金の流れをつまびらかにした上で相談できるので、話がとっても早いです。いまお世話になってる税理士さんは、初回相談時から業務内容やリモートワーク、副業などの働き方の話がすらすら通じるし、信頼できる方だったので、ずっとその方にお願いし続けています。これからも頼り続ける予定です。

あなた専用の確定申告マニュアルをつくり、毎年の確定申告に備えてゆこう

以上、確定申告マニュアルのご紹介でした。

今後も、マイナンバーカードの情報紐付けや電子帳簿保存法やインボイス制度など新制度の施行によって確定申告でやるべきことが変わっていきます。そんなときこそ、このマニュアルの出番です。日々変更点を書き足しながら育てていったマニュアルは、あなたの確定申告作業の大きな支えになってくれます。気づきや税理士さんからのアドバイスなどを継ぎ足し、継ぎ足し、まさに「秘伝のタレ」的なマニュアルとして育てていってください。

今回ご紹介した私のマニュアルが、皆さまの確定申告の一助となれば幸いです。

* * *

ちなみに、今回の記事は、アドビさんのPR企画「僕と私の確定申告」企画によるものです。

Acrobatさんでは、確定申告特集ページを設け、Acrobat オンラインツールを使うことで確定申告がグンとラクになるノウハウを提供されています。

Acrobat オンラインツール、そう、撮影した領収書のPDF化やトリミング、結合で便利なAcrobatは実はオンラインで使えるようになっていたんです!

私も今回のPR企画に参加して初めて知りました。

Acrobatユーザーの方も、そうでない方も、ぜひチェックしてみてくださいね。

●確定申告用の書類をPDFにまとめる
https://www.adobe.com/jp/acrobat/scan-acrobat.html

●撮影したJPEG形式の画像をPDF化する機能
https://www.adobe.com/jp/acrobat/online/jpg-to-pdf.html

●PDFの余白をトリミングする機能
https://www.adobe.com/jp/acrobat/online/crop-pdf.html

確定申告をラクにする便利なツールがどんどん出ています。
ツールを活用し省力化して、確定申告を一緒に乗り切りましょう!

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